学校の教員を目指すみなさん、こんにちは。元教師の管理人です。
本記事では、「教員採用試験の小論文の書き方はなんとなくわかったけれど、実際に例文や解答例をみてみたいな・・・」なんて方に論作文のテーマ別例文を紹介していきます。
上の記事に習った書き方で今回も論文の例文・模範解答を載せていきます!
紹介するテーマ10選
- 生きる力
- コミュニケーション能力
- 教員に求められる資質・能力
- 健やかな心身
- いじめ
- キャリア教育、職業教育
- 公共の精神、規範意識
- 異文化理解、異文化コミュニケーション
- SNSと情報モラル
- 豊かな人間性
- 確かな学力
東京都の教員採用試験の文字数を例にしていますので1000字程度で例文を書いていますが、受験する自治体に合わせて文字数を増やしたり減らしたりしていただければ問題ありません。
文章を減らす場合には、方策を1つに減らすのが無難かと思います。
小論文・論作文の書き方や例文について
本記事でお伝えしている論作文の書き方や例文・模範解答のコンセプトは、「誰にでも簡単に書くことができる論文の書き方・例文」になります。
ですので「100点を取れる」というよりも、「短時間で・誰でも・簡単な文章で合格ラインを突破するための書き方」と捉えていただければと思います。
アマゾンで調べたり本屋さんに行ったりすれば教員採用試験の論作文対策の参考書はたくさん見かけます。
しかし、実際に読んでみると
・難しい言い回しや方策をつらつらと例文として載せている
・詳しすぎて逆にどこを読めばいいのかわからない
・ごちゃごちゃしていて理解しにくい
・論文を書く力が身に付きにくい
なんて参考書が非常に多いと個人的には思います。これでは逆に学習の妨げになるのではとも思えます。
ですので、当サイトでは誰でも簡単な書き方・簡単な文章を書いていくだけで合格ラインに持っていけるように例文や解答をお伝えしています。
教員採用試験では合格のために満点は取らなくても大丈夫。効率よく学習を進めていきたいですね。
ご理解ください
紹介している書き方・例文で実際に筆者は教員採用試験に合格しています。
参考にしていただければ合格に近づけるのではないかと思いますが、筆者が合格したのは数年前になりますので採点基準や文字数制限など細かい部分が変わっているかもしれません。
その点、ご了承ください。
教員採用試験の小論文のテーマ予想【頻出】
教員採用試験の小論文はほぼ毎年決まったテーマの中から出題されます。
出題が予想されるテーマ
- 教員に求められる資質・能力
- 社会性
- コミュニケーション能力
- 健やかな心身
- 豊かな人間性
- 生きる力
- いじめ
- 確かな学力
- 公共の精神、規範意識
- 国際社会、異文化理解
- キャリア教育
- 食育
- 命
上記のテーマを網羅しておけば十分でしょう。
小論文テーマ例文①「生きる力」
最初のテーマは「生きる力」です。
「生きる力」は文科省や学習指導要領でも子どもに培うべき力として取り上げられており、とても重要なテーマ。
ですが、「生きる力」をテーマに論文を書くのは実はとても簡単なんです。
と言うのも、「生きる力」を簡単に分けて考えると、「知・徳・体」のバランスが取れた力のことを指します。
もっと簡単に言っちゃうと
- 確かな学力
- 豊かな人間性
- 健やかな心身
の3つになります。
「確かな学力」「豊かな人間性」「健やかな心身」についての小論文はこの記事で例文を載せています。
と言うわけで、これらのテーマの文章を使いまわしてしまえばもう完成です。
そう言われてみると結構簡単そうじゃありませんか?
使いまわすと楽に論作文がつくれるのです。
この考え方で十分合格ラインを突破できます。
①書き出し・導入文
変化をし続ける社会の中で、主体的に課題を見つけ、自ら考え、解決し乗り越えていく力が、必要である。
そのためにも、「知・徳・体」をバランスよく育み、生きる基盤を培うことが重要である。
部活動のコーチとして通う高校では、「自信がないから」と言ってなかなか発言をしない生徒がいる。
また、授業について、「難しくてついていけない」という声を漏らす生徒も見受けられた。
以上のことから、自信を持たせ、コミュニケーションを取らせていくことと、授業を工夫して、生徒の学習意欲を喚起する必要がある。
そのための具体策を2つ述べる。
一文目で課題の「生きる力」について述べつつも自分の想い・意見を述べています。
二分目は根拠を示しています。自分の教育実習の経験やボランティアの経験などを書くと説得力が増します。
②方策・対策その1
①積極的に話し合える学級づくりをして、自信を持たせる。
自分の意見を相手に伝える活動を経て、信頼関係が生まれ互いの良さに気が付く。
話し合い活動がコミュニケーション能力の向上にもつながり、自分の意見に自信を持つことができる。
そこで私は、帰りの会の最後の5分間を課題解決学習の時間に設定する。
課題を設定し自分の意見を他者に伝える活動を取り入れていく。
いきなり大人数の前で話すことに抵抗がある生徒もいるため、最初は2人ペアでの活動にし、班やグループ、学級全体へと繋げていく。
毎日繰り返すことでコミュニケーションが苦手な生徒も話し合いに慣れさせていく。
また一人一人の発言をクラス全体で聴くようにし、生徒が居場所を感じられる学級づくりをしていく。
方策に「コミュニケーション能力」の向上というのは鉄板です。
どんなテーマにも応用が効き、方策もたくさん考えられますので個人的におすすめ。
③方策・対策その2
②一人一人が達成感を味わえる授業づくりで学習意欲を高める。
生徒が学習意欲を高めるには、自己肯定感を高めることが有効である。
「できた」という体験を得ることによって自己肯定感が高まり、生徒の学習意欲を高めることができる。
そこで私は、体育の授業で難易度の低い課題から高いものまで掲示した課題達成カードを利用して自己評価を取り入れていく。
生徒が自分のできるレベルの課題を選択して取り組めるようにし、今ある力で「できた」という体験を積み重ねることで段階的に技能を育成していく。
また、授業の中で体を動かす場面ではカメラなどの視聴覚教材を使用し、自分の動きを客観的に捉えさせ、課題を達成するために有効に活用していく。
これも教員採用試験の論文頻出テーマの方策を使いまわしています。
基本的な書き方さえマスターしてしまえば、実は内容を書く部分はそんなに多くないです。
ですので、一文一文を簡潔に書くのが望ましいです。
「思う」という語尾を使っている論文も見かけますが、個人的には言い切る語尾の方が内容が伝わりやすく、簡潔に文章を書きことができるのでおすすめです。
上の例文では「体育の授業」を例として書いていますが、自分の受験する教科特有の方策が書けると説得力が増して印象に残る論文になります。
④結論・結びの文
以上のように、自信と学習意欲を培うことを中心に、家庭とも連携をとりながら、生きる力を育んでいく。
生徒と全力で向き合い、ともに成長していく覚悟である。
定番の結びの文。
正直、真似していただければオッケーです。
もちろん変えても大丈夫!
自分の意見を最後に繰り返すのを忘れずに。
小論文テーマ例文②「コミュニケーション能力」
次は頻出テーマの中でもかなり出題率の高い「コミュニケーション能力」について例文を紹介します。
基本的には「コミュニケーション能力」がとても大切だという内容を書いていきます。
教員に求められるコミュニケーション能力と子どもたちにとってのコミュニケーション能力で問われる内容が異なることがありますので、両方のパターンを考えておけると良いですね。
それでは実際の例文に参りましょう!
①書き出し・導入文
「コミュニケーション能力」
今日では、インターネットや携帯電話が普及し、人間関係が希薄になっている。
そのため、他人と話すことを苦手とする生徒や、うまく相手に気持ちを伝えられない生徒が増えている。
私が部活動のボランティアで通う高校では、ミーティングの時に、自分の意見に自信が持てず、発言できない生徒がいる。
また、友達とうまく話せずに、輪から外れている生徒も見受けられた。
以上のことからも、生徒がコミュニケーション形成能力を高め、自信を持ち、主体的に信頼関係を築いていく力を培う必要がある。
そのための具体策を以下2つ述べる。
①まず書き出しと導入文。
2段落目に経験からの根拠を述べるようにしているので説得力が増します。
②方策・対策その1
1.積極的にコミュニケーションをとる学級づくりで自信を持たせる
生徒がコミュニケーション能力を高めるには、自分に自信を持つことが大切である。
自信を持つことで、他者と言葉を交わしていき、関わり合いの中で、コミュニケーション能力を培うことができる。
そこで私は、学級活動で、1分間スピーチを取り入れていく。
人前で発言することに慣れていない生徒もいるため、最初は二人組で行い、グループ、全体へと規模を広げていく。
その際、一人一人の発言をきちんと聞き、みんなが大切にするよう指導していく。
また、一人の発言に対して、意見を返す活動も取り入れ、会話のキャッチボールが成立するようにしていく。
私自身も、生徒の発言を大切にし、頑張りを大いにほめていく。
「学級活動」で実際に子どもたちのためにどんなことができるのか考えます。
教育実習での経験から参考にしても良いでしょう。
「クラス全員を仲良い友達にして休み時間に必ず校庭で遊ばせる」など、あまりに現実離れした内容・実現し難い内容を書くと裏目に出る可能性もありますのでご注意を。
③方策・対策その2
2.話し合い活動を取り入れた授業づくりで、信頼関係を築かせる
授業内でも、話し合い活動を積極的に取り入れることで、生徒が自然とコミュニケーションをとることができる。
また、話し合い活動が信頼関係の形成や自信へとつながる。
そこで私は、体育の授業において、グループでの振り返り活動で、話し合いを取り入れていく。
課題を達成するにはどうすればよいのかを考え、生徒同士で話し合わせていく。
また、一人の意見に対して感じたことや考えたことを自分の発言に含めるように指導し、話し合い活動が、コミュニケーション能力の育成となるようにしていく。
私も生徒の良い意見を見逃さず積極的に褒め、自分の意見に自信が持てるよう指導をしていく。
2つの方策のうち1つは実際の授業での方策を述べていけると良いですね。
今回のケースでは「グループ活動」「振り返り活動」「話し合い活動」に着眼点を置いて方策を述べています。
方策では「そこで私は~」が鉄板ですね。ぜひ使ってみてください。
④結論・結びの文
以上のように、学級活動や授業での話し合い活動を通して生徒にコミュニケーション能力を培っていく。
そのために、私自身も生徒と毎日の対話を通して全力でコミュニケーションを取っていく覚悟である。
「決めフレーズ」を使っていないパターンです。
最後の文章のまとまり方で全体の文章の印象がガラッと変わるので、変な言い回しになっていないかチェックしておきましょう。
また、書き出し・導入文での自分の意見を最後にもう一度繰り返すのを忘れずに。
今回の「コミュニケーション能力」を高めるための方策は、「社会性」「生きる力」「豊かな人間性」「いじめ」などのテーマが出た時にも、少し言葉を変えていくだけで応用できます。
小論文テーマ例文③「教員に求められる資質・能力」
次の論作文テーマは「教員に求められる資質・能力」についてです。
「教員に求められる資質や能力」にはコミュニケーション能力、臨機応変な対応力、教育への熱い情熱など、複数の切り口が考えられますので、自分が書きやすい内容で書いていけば問題ないでしょう。
それではさっそく例文に参りましょう!
①書き出し・導入文
「教員に求められる資質・能力」
生徒は学校で多くの時間を過ごす。
教師は生徒の人格形成に与える影響は大きい。
教員の資質・能力の中でも、高い専門性に基づいた指導力と生徒愛に基づいた信頼関係形成能力が大切である。
部活動ボランティアでは、顧問の先生とうまくコミュニケーションをとれず、意欲を失っている生徒が見られた。
また生徒の中には「授業で先生が何を教えようとしているのかが分からずつまらない」という声を漏らす生徒もいた。
以上のことから、生徒の内面に触れられる信頼関係を築くことと、生徒に魅力を感じさせる授業づくりを通して、学習意欲を喚起していく必要がある。
そこで私は、教師としての具体的な方策を2つ述べる。
ここまでは前回と似ていますね。
しかし、使用する言葉を少し変えるだけで印象も変わります。
- 自分の意見
- 経験に基づいた根拠
- 自分の意見の具体的な方針
これらの点をしっかりと述べましょう。
②方策・対策その1
1多角的な観察を通して、生徒とのより良い関係をつくる。
授業中の生徒の姿は、一部分にすぎない。
休み時間や学級活動等の特別活動でも、生徒のことをよく観察し、生徒理解を深めることが大切である。
そして、授業では気が付かなかった生徒の良い一面を見逃さず、認めてあげることで、信頼関係を深めることができる。
そこで私は、授業はもちろん、清掃や部活動、特別活動においても、生徒の観察をし、積極的にコミュニケーションをとっていく。
他の教員とも連携して、いろいろな教科での様子を知り、生徒の良さや個性を認めていく。
そして、1人1人の小さな変化にも気付き、がんばりを認めていく。
方策その1です。
他のテーマでも使いまわせる内容は使いまわしましょう。
③方策・対策その2
2個人差に配慮した授業を展開し、学習意欲を喚起する。
個人差に配慮した授業を展開し生徒一人一人のつまずきをなくす。
特に体育の授業では個人差がはっきりするため、苦手意識を持たせないような指導をし、頑張りを認めることで、学習意欲を喚起する。
そこで私は、体育の授業において一人一人の課題達成表を利用する。
簡単な技能レベルの課題から難易度の高いものまで掲示し、自分のペースで学習をすることができるようにしていく。
また、同じ学習段階の生徒をグループにし、課題について話し合い活動を取り入れ学習段階ごとにつまずいている点を把握し学習の潤滑油となるような指導をしていく。
さらにグループに適宜学習段階の高い生徒を含め、生徒同士でアドバイスをとらせていく。
私は生徒の頑張りを逃さず、些細な成長でも褒めていく。
④結論・結びの文
以上のように、生徒の立場に立った授業実践をしていく。
また、特別活動等の関わりを通して一人一人を理解し信頼ある教師となる。
「教育の道も一歩から」粘り強い実践を通して、全力で生徒に向き合っていく。
結びの文で「教育の道も一歩から」という「決めフレーズ」を入れてあります。
この一文があるだけで全体がグッと引き締まります。
個人的にですが、決めフレーズは「ことわざ」から持ってくるようにすると考えやすいです。
ぜひ皆さんも使いやすい決めフレーズを探してみてください。
(思いつかないときはあまり時間かけなくて良いです!時間がもったいないですから!)
小論文テーマ例文④「健やかな心身」
次の論作文テーマは「健やかな心身」についてです。
「健やかな心身」は子どもたちに培う必要のある「生きる力」に含まれる重要なポイント。
よって「生きる力」がテーマの時にも応用できますね。
さて、それでは例文・模範解答を紹介していきます!
①書き出し・導入文
「生きる力」を育むための健やかな心身の育成とは、これからの成長の基盤となる、困難に打ち勝つ強い心と、たくましい身体を育むことであり、現在の学校教育において強く求められている。
近年では、遊ぶ場の減少や、ゲーム機などの普及により、生徒の体力低下が問題になっている。
体力テストでは、減少傾向が見受けられ運動能力の低下から学校でけがをする子どもが増えている。
また、ボランティア先の高校では、自分に自信が持てず、良い意見を持っていても、それを伝えることができない生徒がいる。
以上のことから、これからの社会を生き抜く強い心を身につけるとともに、運動することの楽しさを感じさせ、たくましい身体を培っていくことが大切である。
そのための具体策を2つ述べる。
「生きる力」というフレーズを使いながらも、心についてと体についての二つの側面から意見を述べています。
②対策・方策その1
1.学校で取り組む運動のイベントを取り入れ、たくましい身体を培う。
学校全体、もしくは学年のイベントとして朝の学級活動前や放課後の20分程度を利用してランニングを実施する。
強制参加とはせずに自主的な参加を促し、身体を動かし汗を流すことの喜びや達成感を味わわせる。
運動が苦手な子にも友人との参加で協調性や苦手なことに挑戦する心の強さを身に付けさせることができる。
③対策・方策その2
2.学級活動で友達の良い点を伝え合う活動を行う。
心の成長を促すには、自己肯定感を高めることで自分のことを大切に感じることが大切である。
自己肯定感を高めることが結果として相手のことを大切にする心の豊かさにつながる。
そのために学級活動でグループごとに良い点を伝えあい、認め合うことで友情を深めながらも自分の良さを感じさせ自己肯定感を高めていく。
私自身も教師として生徒の良さを逃さず認め褒めていく。
④結論・結びの文
以上のように、学校で仲間と体を動かす機会を設けること、そして自分と仲間の良さを認め合う活動を中心に、生徒の健やかな心身を育む。
「教育は一日にしてならず」粘り強い実践を通して、生徒とともに成長していく。
小論文テーマ例文⑤「いじめ」
次の論作文のテーマは「いじめ」についてです。
「いじめ」は「体罰」と同様で学校の大きな問題として捉えられており、教員採用試験の小論文・論作文でも取り上げられることの多いテーマです。
【これだけ!】教員採用試験の小論文の合格する書き方・模範解答の記事でも紹介しましたが、論作文・小論文を採点するのは学校に長く携わってきた人たち(管理職経験者、教育委員会にいた方など)です。
「いじめはされた方にも原因がある」なんて思っても絶対に書いてはなりません。
それらしい立派な文章が書かれていても、いじめを擁護するような文章が一つでも入っていたり、そういう印象を持たれたりしたら一発でアウト。すぐに落とされます。
教員採用試験は、教育業界において危険な人物をはじく試験とも言えます。
「学校現場にこの人が来たら、いじめが見過ごされてしまうな」なんて思われたらどんなに優秀な人物でもはじかれます。
ですので、あくまで「いじめは絶対にいけないことなんだ。いじめはする方が100%悪い」という立場に立って論作文を書いていく必要があります。
私の友人が教員採用試験の論作文で「いじめ」をテーマに論作文を書きました。
その論作文の中の方策で「いじめられた子に対して、いじめられる原因となった行動を修正できるようにアドバイスをする」という文を書きました。
結果は不合格。
教職教養と専門教養は8割以上の点数が取れていたので、確実に論作文で落とされています。
その時と同じ論作文を読ませてもらいましたが、上のタブーとなる文章以外はかなり上手に書かれていましたので、やはり原因はその一文でしょう。
というわけですので、ここは私の友人の経験から強く言わせてもらいました。参考までに。
さて、さっそく例文・解答を紹介していきます!
①書き出し・導入文
今日、いじめが大きな社会問題となっている。
いじめは心を傷つけ、時に命を奪うこともある。
いじめは人間として絶対に許されないという意識を、生徒たちに築かせる必要がある。
部活動のコーチとして通う高校では、人の意見をすぐに否定する生徒がいる。
また、友人に向かってすぐに暴言を吐く生徒や、協調性が低く、自分中心で行動する生徒も見受けられた。
以上のことからも、生徒同士が社会性や規範意識を持ち一人一人を尊重していくことで、より良い人間関係を培い、いじめを根絶していく必要がある。
そのための具体策を、2つ述べる。
- 自分の意見
- 根拠
- 子どもに培わせたいもの
という3つの区切りで自分の意見を述べています。
②対策・方策その1
①コミュニケーション能力を育む学級づくりを通してより良い人間関係を築く
コミュニケーションを積極的にとることで、互いに良さを感じ合い、尊重し、より良い人間関係を築かせることができる。
また、コミュニケーション能力の向上が、人間関係の育成の力となる。
そこで私は、積極的にコミュニケーションを取れる学級づくりを通して、より良い人間関係を築かせていく。
学級では、生徒一人一人の発言を全員で大事にしていく。
自分の意見が大切にされていると感じることで、自己肯定感が高まり、コミュニケーションを取るうえで、自信となるよう指導していく。
学級活動では、課題学習を取り入れ、自分の意見を相手に伝える場をつくっていく。
また、私も教師として、授業はもちろん、清掃や休み時間にも生徒と積極的に対話し、コミュニケーション能力を育成していく。
子どもに必要な「社会性」の中でも「コミュニケーション能力」に着目して方策を述べています。
今回の例文では「学級活動」を通しての方策ですが、「クラブ活動」「部活動」「特別活動」「委員会活動」「休み時間」「授業中」など、いくらでも場面は想定できます。
自分の方策に合わせて柔軟に変えていけばよいでしょう。
③対策・方策その2
②グループ活動を通して、協調性や規範意識を育む
グループという集団で協力し合い、ルールを守りながら活動を繰り返すことで、協調性や規範意識を育んでいくことができる。
そこで私は、○○の授業において、グループ活動を積極的に取り入れていく。
グループのメンバーと意見を交わしながら、協力し合って課題に取り組ませていく。
また、活動のルールを決め、グループで守りながら活動させ、規範意識を育成していく。
授業の振り返りで、話し合い活動を取り入れ、相手に自分の意見を伝える能力や、他人の意見を尊重する態度も築かせていく。
私は教師として、生徒の良い意見や頑張りを逃さず褒めていく。
方策の2つ目は授業でのグループ活動について述べています。
いままでの記事と似ている部分が多いですね。
使いまわせる方策は使いまわしましょう!
前回までの記事でもお伝えしてきましたが、方策や導入文、結びの言葉はどれも使いまわせることが多いです。
柔軟に文章を変えつつも、使いまわせるところは使いまわして行きましょう!
④結論・結びの文
以上のように、より良い人間関係を築くことと、社会性や規範意識を育むことを中心に、いじめを許さない人間を育てていく。
「いじめ根絶は1日にしてならず」
私も粘り強く生徒とともに成長していく覚悟である。
「決めフレーズ」が入っています。
使いやすく、応用がきく「○○は1日にしてならず」というフレーズが個人的にすごくおすすめ。
文章が引き締まります。
小論文テーマ例文⑥「キャリア教育・職業教育」
今回のテーマは「職業教育・キャリア教育」です。
子どもながらになりたい職業を決めている、もしくは方向性が定まっている子どもたちもいれば、全く職業についての未来が見えていない子もいます。(職業について触れる機会がない・職種を知らない・イメージがわかないなど)
子どもたちの一生を豊かなものにしていくためにも、「自分のやりたいこと」「目指したいこと」をはっきりと意識させる必要があります。
そのために「職業教育」「キャリア教育」が学校でも求められます。
子どもたちに、いかに将来への視野を広げさせられるか。
論文にあなたの考えや方策をしっかりと述べていきましょう!
それでは例文・模範解答のご紹介です。
①書き出し・導入文
生徒一人一人の職業観・勤労観を育て、社会における自分の役割を主体的に考えることが求められている。
不安定な現代社会を生き抜くためには、学校教育におけるキャリア教育がさらに必要である。
しかし、私が部活動のコーチとして通う高校では、人と関わることを苦手としていて仲間や先生とうまくコミュニケーションをとることができない生徒がいた。
また、進学理由についてのアンケートで「友達が行くから」と答える生徒も見受けられ、将来への見通しを持てていない実態が見受けられた。
以上のことからも、まず、社会を生き抜くためのコミュニケーション能力を育むことと、将来への職業観を高めていく必要がある。
そのための具体策を2つ述べる。
②対策・方策その1
1.生徒一人一人が自分の力を発揮できる学級づくりをする
生徒が学級で自分の役割を感じ、自分に自信を持つことで、自己肯定感を高めることに繋がる。
そうすることで、生徒同士の関わりが増えコミュニケーション能力も高めることができる。
そこで私は、学級での係活動や班活動を充実させていく。
自分の役割に責任を持たせるとともに、自分が必要な存在であることを感じさせていく。
また、学級活動で、積極的に話し合い活動を取り入れ、生徒が自分の意見を相手に表現する場をつくっていく。
そして、一人一人の意見を学級全体で聞き、大切にしていく。
私も教師として、生徒の責任感や意見を認め大いにほめていく。
③対策・方策その2
2.体験活動や講演会で、職業観を育む
生徒に、将来への見通しを持たせるためには、さまざまな職に触れ、職業観を高めることが必要である。
そこで私は、職場体験のような体験活動を、できるだけたくさん生徒に体験させていく。
実際に生徒が職を体験することで、職に対しての視野や考えを広げさせていく。
また、地域の職業経験者と連携を取り、職業についての講演会を開いていく。
実際の職場での仕事や、その職に就くための資格などについて話をしてもらい、生徒の興味や関心を高め、将来への視野を広げていく。
また、学校では様々な職業についての資料を用意しておき、生徒に活用させていく。
④結論・結びの文
以上のように、生徒のコミュニケーション能力を育むことと、職業観を高めていくことを中心として、キャリア教育に努めていく。
「子どもの将来への道は一日にしてならず」
生徒の将来を粘り強く全力で支援していく覚悟である。
小論文テーマ例文⑦「公共の精神・規範意識」
今回の小論文のテーマは「公共の精神」です。
公共の精神?何それ??
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
簡単に言えば「社会常識」「規範意識」「ルールを守る」ということです。
間違った道への誘惑が多い現代社会に出ていく子どもたち。
その子どもたちに、いかに「公共の精神」を培っていくかが論文でも問われるのです!
①書き出し・導入文
今日の社会において、自己中心的な言動をする人や、マナーを守れない人間が増えている。
変化の激しいこの社会で、社会の一員として生き抜くために、公共の精神を身につけることが必要である。
部活動のコーチとして通う高校では、学校のルールを守れない生徒が見受けられた。
また、協調性が低く、他者と協力することが出来ない生徒や、相手の気持ちを考えられない生徒もいた。
以上のことからも、社会の一員としての自覚をもたせ、規範意識や協調性を育んでいき、相手の立場で物事を考える態度を培う必要がある。
そのための具体策を、2つ述べる。
時代の背景
+
経験談
+
自分の意見
の3段構成にしています。
②対策・方策その1
①グループ活動を通して、協調性や規範意識を培う。
グループ活動を通して、生徒が自分の役割を認識し、自己肯定感を感じることで、社会性を築くことが出来る。
また、ルールを守って協力し合うことで、協調性や、規範意識も培うことができる。
そこで私は、体育の授業において、グループでの課題学習を積極的に取り入れていく。
課題に向け、グループのメンバーで協力し、コミュニケーションを取りながら、活動させていく。
また、活動のルールを決め、グループで守りながら課題に取り組ませ、規範意識を培っていく。
また、授業の振り返りで、話し合い活動を取り入れ、相手の意見を尊重する態度も育んでいく。
私は教師として、生徒の些細な頑張りも逃さず、大いに認めていく。
③対策・方策その2
②一人一人を大切にし、相手の立場で考えられる学級を目指す。
社会の一員として、相手の立場で物事を考える能力を培うことが大切である。そのためにも、生徒一人一人の意見を尊重し、学級全体で大切にしていく必要がある。
そこで私は、学級活動において、課題学習を取り入れ、自分の意見を他者に伝える活動をしていく。
人前で発言することが苦手な生徒もいるため、最初は2人ペアで行い、グループ、全体へと規模を広げていく。
また、一人一人の意見を学級全体で大切にするように指導していく。
そして、互いの意見の良い所を相手に伝えさせていき、相手のことを尊重する態度を培っていく。
私も教師として、生徒と積極的に対話し生徒の良さを認め、生徒と過ごす時間を大切にしていく。
一文一文のリズムを意識すると良いかもしれません。
読んでいて違和感のないように、簡潔で短い文を心掛けます。
④結論・結びの文
以上、社会の一員としての社会性と、相手の対場で考える態度を培うことを中心に、公共の精神を育んでいく。
さらに、家庭や地域とも協力して、生徒に様々な集団での役割を体験させていく。
「教育は一日にしてならず」
粘り強く生徒と向き合い、共に成長していく。
小論文テーマ例文⑧「異文化理解・異文化コミュニケーション」
さて次のテーマは「異文化理解・異文化コミュニケーション」です。
簡潔に言ってしまうと
・日本の伝統と文化を大切にする姿勢
・国際社会に向けて培うべき子どもの能力や課題
について述べていけばOK。受容の態度と能動的に接していく姿勢を述べられると尚良いかと思います。
それでは例題に行きましょう!
今回も4つの段落に分けて考えていきますよ!
①書き出し・導入文
伝統や文化に関する教育は、生徒が日本の素晴らしさを誇りに思い、世界の中で日本人としてより良く生きるために大切である。
しかし、時代の変化とともに、新たな知識や技術に触れる機会が増えた一方で、受け継がれてきた伝統や文化に触れる機会が減少している。
また、異文化への理解が乏しく、協調性が低くなっている。
私が部活動のコーチとして通う高校でも、外国人生徒に対して、思いやりがない生徒が見受けられ、協調性の必要性を痛感した。
以上のことからも、生徒に日本の伝統や文化の理解を深めさせるとともに、異文化圏の人々を尊重し、国際社会において、協力し合える力を育む。
そのための具体策を以下述べる。
- 自分の意見
- 意見の根拠
- 方策に向けての文
という3段構成で書いています。
②対策・方策その1
①一人一人を大切にする学級づくりで、互いを尊重する態度を培う
同じ国の人にも、異文化の人にも、相手を尊重する態度を持っていくためには、相手とコミュニケーションを取り合い、相手の意見を尊重していく態度を養うことが大切である。
そこで私は、班活動や係活動を充実し、積極的にコミュニケーションを取らせていく。
また、クラス全体で、一人一人の意見を聞き、大切にさせていく。
そして、自分が学級に必要な存在であると築かせ、学級全体で一人一人を大切にする態度を養う。
お互いの意見をそれぞれが大切にしていくことで、相手を尊重し、理解させていく。
③対策・方策その2
②体験活動を通して、日本の伝統や文化を大切にする心を育む
自国の文化理解なしに、異文化理解をできない。
まずは、自国の文化に触れ、体験する活動を多く取り入れ、生徒に自国の文化のすばらしさを感じさせ、文化理解への視野を広げていく。
そこで私は、体育のダンスの授業において、日本の伝統の踊りを積極的に取り入れ、体験させていく。
また、地域の人や、伝統に精通している人と連携を取り、実際の踊りを直に体験する場を設けていく。
そして、授業の初めや、指導の場面で、その踊りが伝わってきた歴史などにも触れさせ、日本の伝統や文化に関心を持たせていく。
私は教師として、生徒の頑張りを逃さず、些細な成長も、大いにほめていく。
④結論・結びの文
以上のように、相手を尊重する態度を育むことと、自国の文化についての理解を深めることから、これからの国際社会において、日本人として誇りを持って生きていく基盤を培う。
「教育は一日にしてならず」
私も粘り強い実践を通して、変化の激しいこれからの国際社会を生徒とともに成長して乗り越えていく覚悟である。
小論文テーマ例文⑨「SNSと情報モラル」
次の論文テーマは「SNSと情報モラル」です。
インターネット環境の普及やスマートフォンの所持率の増加による子どもたちのインターネット被害が増えてきています。
ニュースでもLINEによるいじめが問題視されており、今日では見過ごせない教育問題となってきています。
それに伴い、東京都を始めとして、学校の指導の一環としてスマートフォンやパソコンでのインターネットの利用や個人情報の取り扱い方などの指導を行う動きも進められています。
また、スマートフォン利用時のルールを設定することも大事な対策。
LINEやTwitterなどでのいじめが行われて子どもたちがつらい思いをしたり、インターネットを介した犯罪に巻き込まれたりとたびたび大きな話題になっていますよね。
こういった現状と課題をしっかりと述べつつ、学校の教員として取り組むことのできる具体的な方策・対策を述べていく構成で考えていくと良いでしょう。
それでは例文を紹介します!
①書き出し・導入文
今日、子どもの情報モラルの低さが問題となっている。
ニュースや新聞では度々LINEやTwitterなどのいじめが取り上げられている。
またインターネットを介して個人情報が漏れ、子どもが犯罪に巻き込まれるケースもある。
教育実習先の中学校ではスマートフォンを持っている生徒の数が半数を超えており、ますます情報モラル教育が求められている現状である。
以上のことから、インターネットやSNSの正しい活用方法と個人情報の取扱いについてのルールを身に付けさせる必要がある。
そのための具体策を以下に述べていく。
②③対策・方策
そこでまず子どもに情報モラルを身に付けさせるために、朝の会や帰りの会、学年の集会にて情報モラルについての学習の時間を設定する。
子どもの中にはインターネットの誤った利用が引き起こす問題をイメージできていない子も多い。
プロジェクターや視覚教材を活用して、実際にインターネットの誤った利用が起こす問題点を伝え、注意喚起をする。
ニュースや新聞の記事を取り上げ、身近な問題なのだという危険性を認識させていく。
またインターネットの事件では、保護者や教師などの大人に助けを求められずに事件に引き込まれてしまうケースもある。
そのため、事件に巻き込まれそうになった時や困った時の対処法にも触れていき、正しい情報選択をしていけるような判断力を身に付けさせる。
重ねて、東京都から学校に送付される情報モラルに関するリーフレットや新聞の記事を定期的に学校で読み合わせるようにして、子どもたちにインターネットの危険性と正しい活用方法を意識させていく。
さらに、家庭向けの資料を用意して配布し、家庭でのスマートフォンやパソコンの利用ルールの設定などを促し、学校と保護者が協力して子どもたちの情報モラル教育を進め行ける体制を作る。
今回は対策・方策を1つの段落にまとめたパターンの例文・模範解答になっています。
「一文は短く」
を基本として簡潔に述べています。
④結論・結びの文
以上のように、SNSの身近な危険性をイメージさせ正しい情報選択を促すところから、情報モラル教育を進めていく。
スマートフォンやパソコンの利用は家庭での利用時間が長い。
教師として、家庭とも協力して、様々な情報が行き交う社会を生き抜く力を培わせていく考えである。
最後に教師としての考えや覚悟を付け加えると、採点者に強く印象に残ります。
ちなみに今回のように方策を1つにして文章を書くのもありです。
しかし、文章が窮屈になってしまい採点者に内容がうまく伝わらないようでは減点になってしまいます。
そのため、1つの文を短めに簡潔に書くことで読みやすい論文に仕上げることを意識していきましょう。
小論文テーマ例文⑩「豊かな人間性」「豊かな心」
教員に求められる能力や、子どもの課題などが論文の課題として出題されることが多いです。
その中でも、東京都の教員採用試験でもよく出題される「豊かな人間性」「豊かな心」とは、子どもに培うべき「生きる力」の中の1つとされているものです。
「豊かな人間性」という表現だと少しあいまいに感じますが、簡単に言ってしまえば「社会性」とも言えます。
人との「コミュニケーション能力」であったり「相手の気持ちを汲む力」なんかも含まれるでしょう。
というように、噛み砕いて考えれば、あとは他のテーマで考えた文が使いまわせそうです。
それでは例文をご紹介していきます。
使いまわしている文章もありますので、参考にしてみてください。
①書き出し・導入文
今日では、思いやりのある心や、協調性、規範意識などの「豊かな人間性」が生徒に欠如していることが問題となっている。
部活動のコーチとして通う高校では、ルールを守れない生徒がいる。
また、相手を傷つける言動をする生徒も見受けられた。
現在では、いじめが社会問題として大きく取り上げられており、変化の激しい社会を生き抜く、豊かな人間性を育む必要性は大きい。
以上のように、生徒に規範意識を持たせるとともに、相手の立場で物事を考えられる思いやりの心や協調性を育み、より良い人間関係を築かせる必要がある。
そのための具体策を2つ述べる。
導入文では
- 課題提起
- 根拠
を述べていきます。教育実習や学校ボランティアなどの経験から文章を構成すると説得力が増すのでしたね。
②対策・方策その1
1.一人一人を大切にし、自信を持って表現できる学級を目指す
思いやりの心を築くには、コミュニケーションを取るなかで、互いの良さを感じることが大切である。
そのため、表現することに自信をもたせることで、コミュニケーション能力を高めていく。
そこで私は、課題学習を積極的に取り入れ、生徒の表現の場をたくさん設け、自分の考えを相手に伝える活動を取り入れていく。
人前で話をすることが苦手な生徒もいるため、最初は2人ペアで行い、グループ、全体へと規模を拡大していく。
また、生徒一人一人の意見を学級全体で大切にしていき、生徒の自己肯定感を高め、自信につなげていく。
私も積極的に生徒と対話し、より良い学級をめざしていく。
③対策・方策その2
2.グループ活動を通して、協調性や規範意識を育む
グループという集団で協力し合い、ルールを守りながら活動を行うことで、協調性や規範意識を育んでいくことができる。
そこで私は、体育の授業において、グループ活動を積極的に取り入れていく。グループのメンバーと意見を交わしながら、協力し合って課題に取り組ませていく。
また、活動のルールを決め、グループで守りながら活動させ、規範意識を育成していく。
また、授業の振り返りで、話し合い活動を取り入れ、相手に自分の意見を伝える能力や、他人の意見を尊重する態度も築かせていく。
そして私は教師として、生徒の良い意見や頑張りを逃さず、認めていく。
④結論・結びの文
以上のように、思いやりの心と協調性、規範意識を育むことを中心に、生徒に豊かな人間性を築かせていく。
「教育は一日にしてならず」粘り強い実践を通して、生徒とともに成長していく覚悟である。
「決めフレーズ」が文章を締めます。絶対ではありませんので余裕があれば入れると良いでしょう。
小論文テーマ例文⑪「確かな学力」
「確かな学力」は子どもたちに培うべき「生きる力」の1つになります。
「生きる力」とは・・・
- 「確かな学力」
- 「豊かな人間性」
- 「健やかな心身」
の3つを総合した、子どもたちに培わせるべき力のこと
「確かな学力」は、知識・理解だけでなく、主体的に行動する力や、自ら課題を見つけて解決する能力などを指します。ここには思考力・判断力・表現力も含まれます。
展開内容や方策などが複数考えられるテーマですので、自分が小論文の本論(方策・対策・取り組み)で述べやすい内容を中心に文章を構成していくと良いでしょう。
①書き出し・導入文
確かな学力が重要視されている今日では、生徒が基礎的・基本的な知識・技能を正しく身につけていく必要がある。
しかし、子どもによって学習習慣や学習意欲にばらつきがあることで、学力の定着に差が出てくる。
そのため、生徒の学習意欲を高めて継続力・粘り強さを培っていくことが大切と考える。
私が学校ボランティアで関わっている生徒の中には、苦手な課題があると、すぐに意欲をなくし課題に向き合えない生徒が見受けられた。
また、「授業が進むのが早くてついていけない」という声を漏らす生徒もいた。
以上のことからも、授業を工夫して生徒一人一人の学習意欲を高めるとともに、何事にも粘り強く取り組むことを習慣にさせていく必要がある。
そのための具体策を2つ述べる。
書き出し・導入文では、
- 現状
- 課題
- 背景
- 問題点
- 定義
を簡潔に盛り込み、この後の方策につなげていきます。
ですが、必ずしも上記の内容を全て盛り込む必要はないです。
上記のリストからいくつかに絞って焦点をあてていけば良いでしょう。
②対策・方策その1
①小テストやノート指導で一人一人にフィードバックを行う
教師は生徒と多くの時間を過ごす。
そこで毎週のノート指導で必ずフィードバックとなるコメントをする。
良い意見や完成度の高いまとめがされている場合には、当該生徒の許可を得た上でクラス全体で共有する。
小グループでの話し合い活動などに発展させて、自分の意見を発信する場を作っていく。
また、単元ごとの小テストをこまめに実施して、小さな振り返り活動を重ねて知識・技能を定着させていく。
振り返り活動をとり入れることで、苦手意識を持った課題に対して放置せず、苦手克服の足掛かりとしていく。
③対策・方策その2
②一人一人が達成感を味わえる授業で学習習慣を喚起する。
「できた」という達成感を生徒に感じさせることで、生徒の自己肯定感を高まり、自信につながる。
その結果、学習意欲を高め、学習習慣の定着につながると考える。
そこで私は、授業において難易度の低い課題から高い課題まで毎回の単元で学習プリントを用意しておく。
生徒の学習段階に応じた課題に取り組ませ、課題が終わった生徒に対しては自分のレベルにあった課題に取り組ませていく。
生徒によっては課題のレベルを下げることで達成感を感じさせて学習意欲を高めていく。
また、私自身生徒の頑張りを認め大いに褒めていく。
方策や対策は、東京都のように800字~1000字程度の小論文であれば2つぐらいで考えていくと良いでしょう。
ただし、方策が長くなる場合には1つにしてもOK。
「一文は短く」
簡潔な文章を心掛けましょう。
④結論・結びの文
以上、授業を工夫し、グループ活動・話し合い活動や段階的な学習指導によって学習意欲を高め学習を習慣化させる。
「教育は一日にしてならず」
教師として粘り強く全力で生徒と向き合っていく。
結びの文ですね。
「決めフレーズ」を入れると文章が引き締まります。
思いつかないときには無理に入れなくても良いでしょう。
ことわざの変形利用が個人的にはわかりやすくおすすめです。
小論文・論作文の例文|まとめ
以上、11の教員採用試験頻出テーマで小論文・論作文の例文を紹介しました。
合格を保証できるものではありませんが、書き方や文章構成のポイント・考え方などは参考にしていただければ合格への近道になるかと思います。
ぜひ、ご活用ください。