学期の最後に通知表が渡されますが、書いてある項目の見方を間違えると、子どもの成績を正確に捉えられないかもしれません。
「テストで100点取ったのになんで5じゃないの?」
なんてことを思われたことがある方もいるかもしれません。
今回はその通知表の見方をお伝えします。
5がつけばいい、というわけではない
5段階評価では、一番達成度が高い評価が「5」になります。ですので、生徒は5を目指して頑張ります。
しかし、5段階評価の5は、各観点別評価を総合して、90%以上の達成度の生徒につけるます。
そのため、観点別にみると生徒の成績に穴がある(弱点がある)かもしれません。
補足説明していきます。
5段階評価とは
前述の5段階評価とは、生徒の達成率を表す成績の数値です。1~5で表されます。
達成率により、成績が変わります。
- 5・・・90%以上
- 4・・・80%以上、90%未満
- 3・・・50%以上、80%未満
- 2・・・20%以上、50%未満
- 1・・・20%未満
上記のように決められますので、
例えば「3」の成績が付いた生徒の中には、
達成率79%の生徒もいれば、達成率51%の生徒もいます。
そして、どちらの生徒も「3」の評価が付きます。
その差はこの5段階評価では見えてこないのです。
2人の生徒の間には、見えない達成率の差があるのですね。
観点別評価とは
観点別評価とは、各教科に定められた観点別の評価項目のこと。
教科によって4つか5つに設定されています。
また、各項目がA、B、Cの3段階での評価になります。
達成率により、評価が変わります。
- A・・・80%以上
- B・・・50%以上、80%未満
- C・・・50%未満
上記のように決められます。
各教科の観点ごとにこの評価が付けられます。
100点取れば5が付くとは限らない
よく、「なんで100点を取ったのに通知表に5が付かないのですか」と質問が来ます。
この点を補足していきます。
4観点での評価を行う教科を例に挙げてみます。(例えば保健体育)
4観点は、
- 「関心・意欲・態度」
- 「思考・判断」
- 「技能・表現」
- 「知識・理解」
などとされています。
基本的にはどの教科にもこの4観点が入ります。
それぞれの評価は、25%ずつ成績に反映されます。
なので4観点の評価を合わせて100%になります。
100%のうちの達成度で、最終的な5段階評価がされる、という流れですね。
それでは、「テストで100点」を取った場合には、どの観点に成績が反映されるでしょうか。
実は、テストで100点を取ったとしても、それは「知識・理解」の評価に反映される割合が高く、「関心・意欲・態度」には全くと言っていいほど反映されません。
ですので、テストで100点を取り「知識・理解」でAの評価がつけられても、他の観点で達成率が低い場合には5がつかないことも普通にあるのです。
例)テストで100点を取っても、5が付かない場合の一例
「関心・意欲・態度」
・・・B 75%
「思考・判断」
・・・B 70%
「技能・表現」
・・・B 70%
「知識・理解」
・・・A 100%(テストで100点を反映)
75+70+70+100=315(400%中)
315÷4
≒79%(100%中)
5段階評価に当てはめると、「3」の評価が付きます。
このように、テストが100点でも、3が付いてしまうこともあるのです。
ちなみに、観点別評価のどれか1つでCが付いた段階で、5の評価が付くことはありません。
これは、達成率の%の計算をしてみればわかります。気になる方は計算してみてください。
通知表で見るべきポイント|まとめ
要するに、5が付いているからと言って、観点別の評価がすべて高いとは限らないということです。
成績を受け取った際に、5段階評価を見せ合いっ子する生徒は多いですが、5段階評価に一喜一憂するよりも、
<観点別評価でどれだけの評価がなされているか>
を分析した方が今の自分の成績を正確に把握できます。
参考にしてみてください。
以上、元教師がお伝えする、中学校の通知表の見るべきポイントでした。
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