児童・生徒は学期末に通知表をもらいます。
最終日に担任から一人一人の生徒に渡される通知表は、その学期や学年を通しての成績が細かく載っています。
もらってすぐに友達と見せ合いをして喜んだり落ち込んだりした人も多いのではないでしょうか。
その人の頑張りが評価された大事な資料といえば良いでしょうか。
今回は絶対評価と相対評価の違いについて触れていきます。
通知表の見方については前回の記事で↓
元教師がお伝えする、中学校の通知表で見るべきポイント
通知表の内容
中学校の通知表には、
- 各教科の成績
- 出席日数
- 担任の所見
が記載されています。
小学校では、「生活面」の評価項目があったり、5段階評価ではなく〇や△での評価がされていたり、高校では5段階評価のみが記載されていて「ABC」の評価が記載されていなかったりと、学校によってもある程度の差があります。
所見とは
担任の先生が、生徒の学校での過ごし方や成績について通知表に記した文のこと。通知表の所見欄には文字制限があり、100文字程度しか書けません。
ですが、その生徒の学期ごとの頑張りや特長が入っていないと管理職のOKが出ませんので、先生はこの所見に時間をかけざるを得ません。
全員分考えなくてはならないので、先生にとってはめんどくさい仕事の一つ。それに対して、さらっと読んで終わり、という保護者の方も多いことと思います。
文字制限に悩まずにしっかり書きたい先生は、所見を別紙で添付して通知表に添えるやり方を選択することもあります。私もその一人でした。文字数に入り切るように文章をまとめることに時間をかけるのがもったいないと思ったので。
出席日数
出席日数と、遅刻・欠席・早退した日数が記載されます。インフルエンザなどの感染症で出席停止になった場合には、出席日数自体が減らされることで、実質休みとはしないこととされています。
相対評価と絶対評価
相対評価と絶対評価の違いを知らない人が意外にも多いのではと思います。まずはその違いを知りましょう。
相対評価
個人の能力がどの段階に属しているかを、その集団の中での周囲との差や平均との差によって評価します。相対的評価においては、成績で5をつける人数をあらかじめパーセンテージで出してしまうため、どんなに優秀な人でも、1が付く可能性があります。
例)
100人の生徒が、
- 5の評価:15人
- 4の評価:20人
- 3の評価:30人
- 2の評価:20人
- 1の評価:15人
で成績を付けられることに。(人数は一例です)
そうすると、優秀な生徒がいたとしても、それ以上に優秀な生徒が99人いれば、その生徒は1の評価になってしまいます。つまり100人優秀な生徒が集まっても、5の評価がもらえるのは15人だけということになります。
絶対評価
あらかじめ決められた評価の規準に達しているかどうかで評価します。生徒一人一人に評価の規準を照らし合わせて成績を導き出すため、100人の生徒がいれば、100人とも5の評価を得られる可能性がある一方、100人全員が1をつけられる可能性もあります。
現行の評価方法はこの絶対的評価ですので、生徒は在籍するクラスの平均点などに左右されずに平等に評価をされるのです。絶対評価に変わる以前は相対評価でしたので、周りの環境によっては能力や頑張りを正しく評価されなかった生徒さんもいたことと思います。
学校の成績の付け方|まとめ
これで、相対評価と絶対評価の違いがはっきりしました。
繰り返しになりますが、現行では絶対評価で成績が付けられています。評価の規準を設定するのは学校側(先生)ですので、先生のクセをつかんで正しく評価されたいですね。
成績の上げ方については別の記事に上げています。
先生によって成績の基準が違う?元教師が本当のところをお伝えします。