教員・教師というお仕事。
子どもの頃に先生にあこがれて教員を目指すことを決めたという方も多くいらっしゃることと思います。
今回は、そんな学校の教員になるために、実際にどういう段階・手順を踏めばいいのか一連の流れを説明していきます。
先生を目指す人の参考になればと思います。
先生になるにはまず教員免許の取得が必要
まず、大前提として教員免許がないと先生にはなれません。
持っていなくても試験自体は受けられる自治体もありますが、採用時に提出を求められますので、不正はできません。
では教員免許を取るにはどうすればいいのか。
教員免許が取得できる大学や、通信講座で免許を取得できます。
- 小学校
- 中学校
- 高校
- 教科(数学や社会など)
- 特別支援
など、免許の種類によって選ぶべき大学や講座は異なります。
この点は事前に希望する種類の教員免許が取得できるのかを調べておく必要がありますね。
また、教員免許の取得には教育実習に行かなければなりません。
最近では免許が更新制になりましたので、教員免許を取得後は10年に一度の更新が必要になります。
更新の際に30時間ほどの講義を受講することとされています。
教員採用試験に合格する
先生になるための試験のことを教員採用試験と言います。私立の学校は独自の試験になりますので、今回は公立校を例として挙げていきます。
一次試験
一次試験は筆記試験を設けている都道府県が多いです。
内容は
- 教職教養
- 専門教養
- 一般教養(ない自治体も多い)
- 小論文
が設定されていることが多いです。先生になりたい都道府県の教員採用試験を調べてみると詳しく出てきます。
例えば東京では
- 教職教養
- 専門教養
- 小論文
が一次試験で出題されることになっています。
社会人経験者や講師経験者は例外もありますが、基本的には上記の出題内容で試験が行われます。
解答はマークシートでの択一式。記述形式の試験は小論文試験のみ。
教職教養とは
先生として知っておくべき法律や学校のシステム、子どもについての心理学などの分野になります。
専門教養とは
受験する教科の知識分野です。指導方法や、教科の指導方法など。
数学で受験していれば、数学の内容が、小学校全教科で受験していれば、小学校で教える内容が出題されます。(小学校は基本的に全教科で受験します)
ちなみに、実技教科の場合には実技試験も行われることが多いです。東京を例に挙げると、一次試験通過者のみ、二次試験後に実技試験が行われることになっています。
体育、音楽、美術、英語あたりは実際に指導能力が有るかどうかも採用に関わってくるのですね。
参考までにある年の東京の実技試験の内容です。
二次試験以降は面接試験が中心
二次試験ではほとんどの自治体で面接試験が実施されます。
自治体によっては三次試験でも面接を行うこともありますが、東京では二次試験までとなっています。
東京を例に挙げると、集団討論と個人面接に分けられます。
集団討論では、5人ほどの受験者が教育に関わりあるテーマについて討論する様子を見られます。
個人面接では、受験者に対して3人ほどの面接官が面接を行います。
また、個人面接の際に、模擬授業を求められることがあります。
面接官の前で実際に授業する様子を演じます。教科にもよりますが、小学校では求められることが多いみたいですね。
教員採用名簿に登記される
教員採用試験に合格すると、教員採用名簿に登記されます。
合格したからと言ってまだ先生になれるわけではありません。
採用名簿から選ばれると連絡が来ますので待ちます。
ちなみに教員が多すぎて空きがないと、この段階で連絡がこないこともあります。
その場合には翌年に持ち越されてしまいます。
自治体での面接
教員・教師になるには教員採用試験に合格するだけではあと一歩足りません。
各自治体での面接が待っています。
自治体というのは、各都道府県、市区町村のことだと思っていただければ大丈夫です。
お声がかかった市区町村の役所に面接に行きます。
面接は教育委員会のお偉いさんが担当することも。
もちろんこの面接でお断りをされることもあります。
その場合にはほかの自治体からの連絡を待たなければなりません。
当然、人が足りていたならばそれ以上声がかからないことも。その場合は翌年に持ち越されます。
学校での面接
役所での面接が通れば、あとは配属予定の学校で管理職(校長・副校長)との面接になります。
学校長から最終的なOKが出れば、晴れて教員の仲間入りです。
必要書類に記入して、学校側の指示に従います。
教員になるには|まとめ
以上、先生になるにはどうすればいいのか、一連の流れをお伝えしてきました。
試験に合格するだけではなく、その後の面接も採用に関わってきます。
また、声がかかるかどうかは運も多少絡んできます。
今回は東京の公立校を例に挙げて伝えしてきましたが、私立の学校や、非常勤講師の採用については少し異なりますが、大まかな流れとして捉えておけばよいでしょう。