管理人のあかすです。
数年前まで学校の先生として働いていました。
この記事を読んでいるみなさんは、教員採用試験を受験する方がほとんどなのではないでしょうか。
さて、公立学校に勤務するには教員採用試験を合格する必要があります。
そして学校の先生を目指して教員採用試験の勉強をする時に、ほぼ必ず対策が求められる小論文。
この小論文で落とされる人、実はかなり多いんです。
本記事では小論文の突破のコツを私の経験からお伝えしていきます。
論文初心者でも簡単に書くことができますので、がっつり参考にしてみてください!
教員採用試験の試験内容(東京都)
教員採用試験には都道府県によって試験科目が定められています。
一般的には一次試験において筆記試験が課されます。
教員採用試験の内容
- 教職教養(学校の先生としての知識・理解。学校教育法や憲法の内容も出題されます。)
- 専門教養(専攻する教科の専門知識・理解。受験区分が小学校の場合は全教科になります。)
- 一般教養(社会人としての一般知識・理解。学校の各教科の応用問題が出題されることが多い。)
- 小論文
一次試験の内容は主に上記の内容になっていて、小論文を突破しなければ面接試験にすら進めません。(東京都の場合)
かと言って小論文が無茶苦茶に書かれていて基準点に達していなければそれまでです。
と言うわけで、そしてここからは小論文を突破するためのコツを元教師の視点からお伝えしていきます。
小論文の書き方を知る前に
まず、小論文を書く前に知っておくべきことをお伝えします。
小論文を採点するのは誰なの?
小論文を採点するのはいったい誰なのか。
小論文の先生?教育委員会の人?ボランティア?アルバイト?・・・言われてみると気になりますよね。
東京都の場合を参考にお伝えすると、教員採用試験で小論文を採点するのは主に各学校の管理職の先生になります。(全ての都道府県に当てはまるわけではありませんが)
教員採用試験の時期になると呼び出しがかかり、小論文の添削を任されるそうです。
要するに、学校現場で培われた実践方法や指導方法、子どもの実態を良く知る人が採点するということ。
ですので的外れな文章を書いても良い評価につながりません。
もちろん文字数を稼いだだけの文章はすぐにバレます。
即効で落とされます。
教育のプロが採点する小論文ですので、実際の教育現場で役に立つ考えを盛り込むことができれば、読み手の先生は感心します。
実際の子どもの動きや教師として子どものためにできることをきちんとイメージして文章を構成していく必要があるんですね。
▼学校現場の情報についてはこのブログでたくさん書いてますので参考にしていただければと思います。
教採の小論文の文字数制限
小論文の文字数にも都道府県によって違いがあります。
また、年度によって文字数の変更がされることも。自分が受験する都道府県の小論文の文字数を確認しておきましょう。
例)東京都の場合、「1050字程度」「1000字以内」という文字数制限が最近の傾向では多くなっています。
小論文を書く時の最低文字数は、設定文字数の9割だと考えておくと良いでしょう。
また、最低でも8割ほど埋まっていないと足切りをされてしまう可能性があります。
「1000字以内」という指示があれば、最低でも「900字」は書かないと良い評価にならないということですね。
必ず9割は書く。これがルールだと思ってください。
東京都の論作文は要注意
ちなみに最近の東京都の小論文では、細かく文字数を設定されたことが受験者の中で大きな話題になりました。
いままでと出題形式が変わったので受験者の中には戸惑った人も多かったそうです。
平成29年度 東京都 論文試験
(テーマに対しての)問題
学年主任からの指導を受けて、あなたなら学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、「学習指導」と「生活指導」について具体的な方策を一つずつ挙げ、それを取り上げた理由とともに、それぞれ10行(350字)程度で述べ、まとめなどを含めて全体で30行(1050字)以内で述べなさい。ただし、26行(910字)を超えること。
参照:東京都公立学校教員採用案内
上記の内容をまとめると
- 学習指導について:350字程度
- 生活指導について:350字程度
- 全体で :910字以上、1050字以内
というようにか細かく文字数が設定されるようになりました。
全体で910字に満たない論文や、1050字を超えてしまった論文はそもそも読んでもらえない可能性も高いですね。
注意が必要です。
平成31年度の教員採用試験では変化があるかもしれませんし、このままの出題形式かもしれません。
どちらにおいてもこれからお伝えしていく書き方を参考に論文を書くようにしていけば、合格ラインは突破できます。ぜひ参考にしてください。
教採小論文突破の3つのコツ
1 頻出テーマを知る
教員採用試験にはある程度テーマが設定されており、毎年そのテーマに沿った課題が出されます。
ちなみに私が受験した年の小論文では「命」をテーマにした課題が小論文の試験で課されました。
頻出テーマごとに書く小論文の枠組みを考えておくと課題に合った内容を記述しやすくなります。
小論文 頻出テーマ
- 教員に求められる資質・能力
- 社会性
- コミュニケーション能力
- 健やかな心身
- 豊かな人間性
- 生きる力
- いじめ
- 確かな学力
- 公共の精神
- 国際社会
- 日本の伝統と文化
- キャリア教育
- 食育
- 命
今を生きる子どもたちの課題についてや、教師に求められる能力についてのテーマが設定されることが多い印象です。
2 使いまわせる方策を考えておく
小論文の組み立てはとても重要です。
小論文には必ず「課題」「自分の経験」「対応策」の3つを文章に組み込みます。
対応策は無限にあるように思えて、実際はそこまで思いつかないものです。
そういう時に裏技として、使いまわしフレーズを考えておくと良いでしょう。
例えば、上記の頻出テーマの中に
「教員に求められる資質・能力」
「コミュニケーション能力」
の2つがありますね。
まず「コミュニケーション能力」を高めるための対応策・方策を考えてみます。
一例として、「1日一回必ず生徒の良い部分をほめる」という方策を考えたとします。
この方策を、「教員に求められる資質・能力」のテーマが出題された時にも使いまわすのです。
▽例を挙げます
「教員に求められる資質・能力の一つとしてコミュニケーション能力が大切です」
と書き始めてしまえば、その「コミュニケーション能力を高めるための方策」をその後に続けて記述していけばよいので、先ほどの「1日一回必ず生徒の良い部分をほめる」という方策がそのまま使いまわせます。
3 とにかく暗記
2で説明した使いまわせる対応策・方策を考えながら頻出テーマごとの小論文の組みたてがある程度できたら、あとは暗記するだけです。
「え?暗記?」
と、私が小論文の指導をしている学生から思われることもあるのですが、はっきり言って小論文は暗記ゲーです。
似たようなテーマが出たのなら暗記していた文章の組み立てに文章の流れを持っていくことで合格ラインが突破できます。
テーマごとにいくつか文章を暗記できていれば、ある程度テーマが違ったとしても自分が覚えた対策・方策に文章の流れを持っていけます。
ですので、頻出テーマごとに文章の枠組みを暗記さえしてしまえば、あとはもう時間内に頭の中の文章を誤字脱字に注意して写していくだけです。
教採論作文のコツ|まとめ
さて、今回のまとめです。小論文突破の3つのコツを振り返りましょう。
- 頻出テーマを知る
- 内容は他のテーマにも使いまわす
- 暗記
この3つを実践して、小論文を確実に突破しよう!
今回説明したコツ以外にも、小論文を突破するためのポイントはあります。
次回からは
- 小論文の文章構成
- 頻出テーマごとのポイント
- 実際に使える例文
を発信していきます。