教員採用試験の小論文の書き方講座!
今回も元教師がお伝えしていきます。
さて、小論文試験(論作文・論文とも言います)に向けての勉強をするときに、どうしても欠かせないポイントがあります。
それは、時間配分です。
書き方・文章構成だけを勉強して、時間配分のことを考えずにいざ本番に挑むと、
- 時間配分がうまくいかずに時間切れ
- 考えていた方策がまとまらない
- 文章の筋が通らない
- 誤字脱字の多い駄文
なんてことになってしまうことがあります。この点は、みなさんが良く引っかかるポイントです。
ですので、小論文対策をするときに、時間配分をしっかりとできるようになっておく必要があります。
時間配分についての対策をしていると、本番の試験でも安心して書き進めていけます。すっきりとした思考で臨めば、頭の中の策もすらすら出てきます。
と言うわけで今回は時間配分についてお伝えしていきます。
学校の先生を目指す人の参考になれば嬉しく思います!
論文の制限時間と文字数
小論文試験の制限時間と文字数は、自治体によって異なります。
平成29年の東京都を例に挙げると、70分で910~1050字で出題されました。
自治体によっても差がありますが、制限時間については30分~90分程度で設定されている自治体がほとんどです。制限時間が多い自治体はそれに合わせて文字数も多めに設定されている傾向があります。
全国的に見てみると、
- 60分前後
- 800字~1000字
が多い印象です。受験する自治体の教員採用試験受験要綱を調べておきましょう。
論作文の時間配分
さて、それでは時間配分について掘り下げていきましょう!今回は東京都を例に70分の制限時間で考えていきます。
試験開始直後はすぐに書き始めない
まず、ここで合格から遠ざかる人が多いです。
実際に教員採用試験や公務員試験などの小論文試験で、スタート直後からカリカリと音を立てて書き進めるような人がたくさんいますが、私の考えではこれはNG行為。(もちろん、すぐに書き始めて素晴らしい論文が書ける人もいるとは思いますが…)
試験開始直後にまずやるべきことは、
- 問題文の真意を読み解く
- 論文の大まかな構成を考える
この2点です。平成29年の東京都のように70分の制限時間でしたら、最初の5分~10分程度をでこの作業を行うのがベスト。どんなに制限時間が短くても、この作業は省略しないようにするのが合格への近道です。
問題文の真意を読み解く
まず、合格論文を書くためには、課題に対して正対した文章を書かなければなりません。
ここでの「課題に正対した文章」というのは、「きちんと課題に対する答えになっている文章」ということです。人との会話もキャッチボールになっていないと相手に正対していると言えません。論文も同じことが言えます。
求められたことに対してキャッチボールになる返答ができているか。その上で内容が充実しているかが採点されます。
例)「~~について自分の経験を踏まえ、あなたが学校現場で行うことのできる具体的な方策を述べなさい」
こんな課題が出た時に、課題で求められている「自分の経験」を述べなかったり、「学校現場以外」で行う方策(家庭で行うべき方策など)を述べてしまっていたりすると、その論文は課題に対してのちゃんとした「答え」になっていません。大幅な減点になってしまいます。
採点者は問題に正対している文章になっているかを見ますので、まず課題で何が求められているのかをしっかりとチェックしておきましょう。
論文の大まかな構成を考える
あとは、課題に対しての大まかな構成を考えていきます。
- 導入
- 方策・対策
- 締め
という構成で考えていけば基本的にOKです。
考えるのは大まかな枠組みだけで大丈夫です。課題に正対する方策を考えておきましょう。
ここでのちょっとしたアドバイスですが、問題用紙にメモを書くことが許可されている場合には、考えた小論文の構成をメモしておくようにしましょう。
メモした構成で文章を書いていけば、途中で内容がそれたり、方策を忘れたりする心配が少なくなります。
<メモの例>
課題のテーマ「生きる力を育むためにできること」の場合
メモ
「生きる力」=「確かな学力・豊かな人間性・健やかな心身」
↓その中でも
「コミュニケーション能力」と「学力の定着」
↓そのために
「話し合い活動の充実」と「教師としての授業力向上 → 生徒の理解度アップ」
<背景>
・自分の意見を言えない生徒
・授業についていけない生徒
<方策>
1.○○
2.○○
こんな感じで大丈夫です。筋書ができていれば文章がすらすらと書けます。
大まかな構成が考えられたら、いざ導入から書き始めましょう!
振り返りの時間を残す
本文を時間いっぱいまで書き続けるのではなく、必ず最後に振り返りの時間を取りましょう。5分~10分くらいあれば誤字脱字のチェックや変な文章・言い回しの修正をするのに余裕ができます。
時間いっぱいいっぱいまで書いて、終了間際に「間違えた!」なんて思っても遅かったり。余裕を持つためにも本文は終了10分前ぐらいを目標に書き終えるのがベストです。
まとめ:論作文の時間配分
最後に今回お伝えした時間配分を振り返ります。
- 課題をチェック・構成を考える(5分~10分)
- 本文を書く(50分)
「導入」「方策」「締め」で細かく時間配分を考えておいても良いでしょう
- 振り返り(5分~10分)
特に最初の小論文の構成を考える作業を怠ると、文章全体に影響が及びます。
時間配分を制して小論文を制しましょう!